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2021.03.19

CX Psychology Principles 日本と米国におけるCX 心理学の諸原理 part.3 〜より意味のあるエクスペリエンスの創造〜

現代マーケティングの大家フィリップ・コトラーはさまざまなマーケティング理論を打ち出しましたが、中でも最も評価されているのは、時代とともに進化するマーケティングについて論じたシリーズ書「コトラーのマーケティング(フェーズ1.0、2.0、3.0、4.0)」でしょう。「マーケティング3.0」では、1990年代に始まった「価値主導のマーケティング」について解説されており、続く「マーケティング 4.0」、すなわちマーケティングの焦点をエクスペリエンスに合わせる「経験価値マーケティング」については、米コロンビアビジネススクールのバーンド・H・シュミット教授の著書「経験価値マーケティング」(1999年)を契機に一気に普及しました。

「経験価値マーケティング」とは何か、そしてなぜ重要なのか

経験価値マーケティングが生み出す顧客体験(CX)の価値について、食事をしにレストランに行く場合を例にとって見てみましょう。友人とレストランに入り、いい雰囲気に気をよくし、店員のとびきりの笑顔と素晴らしいサービスを楽しみ、注文した料理も美味しくて、素晴らしいエクスペリエンスを味わったとします。すると次もまた来たいと思うでしょう。

同じことがオンラインでも起こります。顧客は上質なエクスペリエンスを提供するブランドに忠実です。電通アイソバーのレポート「Psychology Principles 日本と米国におけるCX心理学の諸原理」で詳しく説明されている事例の1つは、メガネのオンラインショッピングです。オンラインでメガネを購入するとき、実際にメガネが自分に似合うか試着しないで決めるのは難しいと感じるかもしれません。米国のメガネの直販(D2C)ブランドWarby Parkerは、この消費者にとっての問題に着目し、消費者がデジタルで試着できるようにするためのAR技術を開発しました。メガネを「試着」している写真を友人と共有し、自分に似合うメガネフレームについて相談することもできます。

これらのオフライン、オンラインどちらの事例からも、コトラーの提唱した「経験価値マーケティング」に焦点を当てることによって強力な顧客体験(CX)を生み出していることがわかります。しかし、多くのブランドは、強力な実験的マーケティングと優れた顧客体験(CX)を創造するのにまだ苦労しています。そのような場合には上述のレポートに挙げた心理学の原理をCXに適用し、「より意味のあるエクスペリエンスの創造」を目指すことが重要です。
たとえば顧客に商品作りの工程の一部を担わせることを通じて、「達成感」という人間的なエクスペリエンスを創出することができます。顧客はより大きな満足感を味わい、より高い価値を受け取ったように感じるのです。これがCX心理学の原理の一つ「イケア効果」です。イケア効果を活用することで、顧客が「手作り」の工程に参加することができ、最終的には顧客ロイヤルティにつながります。日米のさまざまなブランドが、この認知バイアスを使用して、より意味のあるインタラクティブな体験を生み出しています。上述のレポートではクラシエのポッピンクッキンとベティクロッカーのスーパーモイスト・ケーキミックスの日米両国からの2つの事例を詳しく紹介しています。どちらも、素材の一部を提供して消費者が自分で料理を作って楽しめるようにしています。

https://www.kracie.co.jp/eng/products/popin_n/okashi/hamburger.html
https://www.bettycrocker.com/products/betty-crocker-baking-and-cake-mixes/butter-recipe-chocolate
https://howmanygallonofwater.blogspot.com/2019/08/betty-crocker-cake-mix-back-of-box.html

このレポートには、オンラインやオフラインで「より意味のあるエクスペリエンス」を創出するために使用できる、さまざまな実用的な「認知バイアス」が他にも掲載されています。以下のリンクからご覧いただけます。

「より意味のあるエクスペリエンスの創造」は4部作シリーズの第3部です。優れた実験的マーケティングとリピーターを生み出す顧客体験(CX)を創造するための秘訣を紹介しています。本稿は「より意味のある」エクスペリエンスを創造するための4つの秘訣「共創する」「話題を作る」「影響力を借りる」「人格を与える」についてです。ダウンロードはこちら。

ランドや企業にとって、発信する内容よりも、サービスや事業、つまり記憶に残るエクスペリエンスを創造することが重要です。本稿で取り上げるエクスペリエンスは、様々なところから着想を得ています。電通アイソバーは、新しいエクスペリエンスの着想となるコンテンツの発信や、マーケティング、コマースエクスペリエンス、商品&サービス、変⾰コンサルティング等のサービス提供により、ビジネスにおける複雑な課題を解決し、優れた顧客体験を可能にし、企業の成⻑に伴走します。

これらの諸原理を御社に合わせてカスタマイズしたい、当社サービス詳細やCX関連記事にご興味がある方は、こちらまでお問い合わせください。

カーダー ジェネッサ Jenessa Carder

CXストラテジー本部付 バイスプレジデント
電通アイソバーにて、消費者体験(CX)戦略担当バイスプレジデント。美容、CPG、ハイテク、ヘルスケア、フィットネスなど様々な業界の世界中のクライアントに対して、キャンペーン、製品発売、デジタルエクスペリエンス、トランスフォーメーションプロジェクトにおいて10年以上のコンサルティング経験を持つ。

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杉山 昱萱 Aki Sugiyama

CXストラテジー2部 プランニング ディレクター
約10年間にわたりシンガポール、インド、中国、台湾などの国でコンサルティング業務および化学業界で働き。早稲田大学MBA、PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)、ISO監査員。貿易関連の起業経験有。UI/UX、提案事前調査、ウェブ解析、ソーシャルリスニング、心理変容調査、マーケティング施策効果測定、ストラテジープランニング、データサイエンス、新規事業コンサル、海外マーケティングなどの分野が専門。中国語、台湾語、英語に堪能、ドイツ語も可。

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