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2021.04.27

柔軟なECサイトを構築し良質な顧客体験を実現する「ヘッドレスコマース」-事例で解説する3つのメリット

新型コロナウィルスの感染拡大以降、私たちの購買に対するニーズは大きく変化しました。他者との接触を極力避けるため、大型商業施設や繁華街などへの往訪や長時間滞在は控えられるとともに、今までデジタル化のニーズがあまりなかった商材や業界に対しても、デジタルを通じた新たな購買体験が求められ始めています。

またあわせて、E Cで購入し店舗で商品を受け取れるBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)や、b8taをはじめとした体験型店舗の登場など、E Cと店舗の役割や顧客のニーズも大きく変わってきています。

このような様々な変化に対して、企業は常に新たな視点で自社製品・サービスの購買体験を見つめ直すこと、そしてその施策をスピーディーに実践していくことが求められています。しかし実際は、従来のシステムやプラットフォームの制約でなかなか柔軟な対応ができない、というお悩みをお持ちではないでしょうか。

顧客にとってより良い購買体験を提供するために、チャネルやタッチポイントを問わず、一貫したブランド体験を提供すること、そして組織やプラットフォームなど企業視点の制約がなく、便利で使いやすい購入フローを提供すること。これを実現するために最近にわかに注目を集めているのがヘッドレスコマース (Headless-Commerce)という考え方です。

従来コマースとの違いや導入のメリットなどを、電通アイソバーが実際にヘッドレスコマースの導入をご支援させていただいたイオンシグナスポーツユナイテッド株式会社のユニフォームE CサイトOutfitters.jpをもとに具体的に説明していきます。


Outfitter

イオングループの新規事業として2020年6月にスタートしたカスタムユニフォームE Cサービス。WEBサイト上でユニフォームを自由にカスタマイズシミュレーションしてオーダーできる簡易さと、スポンサー企業ロゴをユニフォームに入れると価格が最大半額になる日本初のサービスにより、いまチームスポーツ関係者を中心に注目を浴びる新サービス。 Outfitter

ヘッドレスコマース(Headless-Commerce)とは

ヘッドレスコマースはその名の通りC X(顧客体験)をコマースプラットフォームから切り離し、顧客中心のエクスペリエンスを提供するための考え方です。
従来のECプラットフォームは、いわゆる見た目であるユーザーインターフェース(UI)と、ECの機能面を司るシステムが同一プラットフォームで管理されていました。ワンプラットフォームに集約されているので、システム保守の面では効率的とも言えるのですが、UIを変更するためにはシステム部分に手をいれる必要が出てしまうなど、柔軟性の面では支障が出るシーンが多々ありました。
これに対しヘッドレスコマースは、UIとE Cプラットフォームは分離された構成となっています。U Iはプラットフォームの外に存在し、E Cプラットフォームに準備されたカートや商品などの様々なコマース機能をA P Iを介して自由に埋め込むことができます。

それではヘッドレスコマースプラットフォームのメリットについて、Outfitterを例に具体的に説明していきます。

メリット1 U Iデザインの自由度
Outfitterは、ブラウザー上で楽しみながらストレスなく自分好みのユニフォームを作り上げていくという購買体験を実現するために、E CプラットフォームのU I制約を意識しないデザインが求められました。そのため、ページ遷移をしない構成(SPA:Single Page Application)やインタラクティブな動作など、通常のE Cプラットフォームでは実現が困難な表現を採用しましたが、ヘッドレスコマースプラットフォームの導入によってU Iを独自に実装したことにより、プラットフォームの制約を受けることなく、自由なU Iを実現することができました。

メリット2  U Iのメンテナンス性
文言やレイアウトを少し修正したいだけなのにシステム部門や開発パートナーに修正を依頼しなくてはならない、システムテストを含めると公開は2週間後・・・。消費者や外部環境の変化に対応していくにあたって、従来のE Cプラットフォームではスピードとコストの観点で大きな課題が生じるケースも多くありました。
ヘッドレスコマースプラットフォームを取り入れたOutfitterではU Iとシステムが分離されているため、文言やレイアウトの変更などシステムに影響を与えない修正は、プラットフォームに一切手を加えることなく変更可能となります。静的コンテンツと同様に、文言やレイアウトの変更・コマース機能を埋め込んだL Pの量産などが、制作チームのみで完結できることはスピード面・コスト面で大きなメリットと言えるでしょう。

メリット3 様々なチャネルに購買体験を組み込める
次々と変化するニーズに対してフリクションレスな購買体験を提供するには、オフラインオンライン問わず様々なタッチチャネルに柔軟に購買体験を組み込めることが求められます。
ヘッドレスコマースは様々なコマース機能をA P Iを介して外部から利用することができるため、今までコマース導入が困難であったチャネルにもコマース体験を組み込むことが容易となります。
例えば、スマートスピーカーやL I N Eなどでのボイスコマース ・チャットコマース、ポップアップストアやサイネージといったオフラインチャネルでの活用、またC M S(Contents Management System)で管理されているW E Bサイトへの組み込みや既存E Cプラットフォームとのデータ連携なども可能なので、複数チャネルで統一されたブランディングメッセージを発信できると共に、U I・U Xデザイン次第で新たな購買体験をフレキシブルに創出することができるでしょう。

今や、顧客が商品やサービスを購買するに至る道筋は直線ではなく、複数のタッチポイントを介し、自分の思い通りのタイミングと手段で購買行動を行っています。このような時代に、より良いCX(顧客体験)を提供するためには、あらゆるタッチポイントを介してシームレスなサービスを提供することが更に重要になっていくでしょう。それを実現するために、CX(顧客体験)とプラットフォームが切り離されたヘッドレスコマースは、1つの解決策になるかもしれません。

坂 祥明 Yoshiaki Ban

プラットフォームコンサルティング部 部長
WEBシステムエンジニアを経て、2004年より大手デジタルマーケティング会社に参画。数多くのWEBサービス立ち上げにシステムディレクターとして携わった後、WEBシステム事業やマーケティングソリューション事業の部門長を歴任。2018年より電通アイソバーに参画し、AdobeやSalesforceをはじめとしたマーケティングソリューションの導入推進や、XRやAIを活用したクリエイティブテクノロジー構築を担当する部署の責任者として多くのプロジェクトを推進中。
過去の主な担当業務:各種業界へのWEBサービス構築、アプリ構築、CMS導入、マーケティングプラットフォーム導入など多数。

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